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Laurent Lebled

Laurent Lebled
ローラン・ルブレ
産地:ロワール地方 トゥーレーヌ

【造り手】 
ソミュール・シャンピニ出身のローラン・ルブレは、27年間、木材の輸出・卸会社を経営していましたが、自然を感じながら物を作る仕事をしたくなって、2010年7月ワイン造りに転向しました。働きづめの生活から、家族との時間や自分を大切にする、そんな生き方を求めたのです。セバスチャン・ボビネやベルナール・ポントニエ、リュック・セヴィーユという古い友人が、自然派のワインを造っているため、以前から彼らのワインを飲んでいたことが影響したのは当然のことだったのかも知れません。
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蔵は、ソミュールとシノン、そしてブルグイユという、ロワールの銘醸赤ワイン産地の中間に位置する「サヴィニー・アン・ヴェロン村」にあります。色々なワイナリーで働いて経験をつみながら、友人達の手助けもあって、その年のワイン造りまでこぎつけました。SO2を全く使わないワインを長年造っている友人達の強力なサポートのお陰で、彼ら同様、SO2無添加のワインを初ビンテージにして仕上げることができました。まさしく「綱渡り」のようなことを突然して怖くなかったのか、と聞くと「全然。親友がナチュラルワインを作っていたのがラッキーだった。昔は誰もがSO2を使ってなかったのだから」とローランは言います。彼らへの感謝の気持ちをこめて、ラベルには友人たちの名前が記載されています。気さくで親睦性が溢れる彼を見ていると、もの凄く信頼できる友人がいるのもうなずけます。
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(On est Su l'sable 2010:協力者としてセバスチャン・ボビネ、ベルナール・ポントニエの名が記されています。)

【栽培・醸造】
栽培面積は2,2ha環境を大切に、自然のしくみに逆らわないよう化学物質を使わない農業を行います。ビオロジック農業を取り入れて、ブドウの収穫量よりも、地中の生態系も含めた自然全てが健全であることが何よりも大事と考えます。友人が有機栽培するブドウや、アドバイスを受けながら自分自身が精一杯育てたブドウを使うことで、この蔵独特の一風変わったマセラシオン・カルボニックが可能になるのです。
ローランはワイン以外からアプローチしただけに、地元品種であるカベルネの個性であり同時に苦手な部分でもあるピーマンっぽい風味を出さないように苦心した結果、ボジョレーで昔行われていたこの醸造方法を古い書物から見つけました。セメント製の発酵槽の底面に、「スノコ」のように材木を組んで、約15cmの「上げ底」を作ります。ブドウを房丸ごと入れていくと、下の方にあるブドウが潰れはじめます。果汁の液面がスノコの上まで上り果梗に触れそうになると、ポンプでゆっくりと果汁を抜きとります。その果汁は別のタンクに入れて自然な発酵を待ちます。セメント槽内のブドウは約3週間マセラシオン・カルボニック。天然酵母によるアルコール発酵が進み、下部のブドウの粒が徐々に潰れて果汁が流れ出し、液面が上がれば果汁を抜きとる作業を続けます。果汁と果梗が触れないようにして、カベルネ独特の「野菜っぽさ」を移さないという考え方です。
この方法を実行するには、発酵前に「粒選り」のレベルで腐敗果や未熟果を取り除かないと、長期マセラシオンは不可能なので、何よりも優れた原料を選ぶことが欠かせません。3つのワイン全てが、上記の醸造方法で作られている他、ワイン作りの最初から最後までSO2を一切使用せず、ノンフィルターでビン詰めします。
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(写真:セメント槽と上げ底用の木材)

ワイン名:Ca c’est bon! 2010 (サ・セ・ボン) AOC トゥーレーヌ
品 種 :ガメイ100%、樹齢:30~50年。ビオロジック栽培。
収穫は、ブドウを選果しながら手摘み。収量40hl/ha。
SO2を一度も加えずに作ったワイン。
ワイン名は、アルコール発酵が終わってワインが落ち着いた時に、応援してくれた友人らと初めて飲んだ際の皆の言葉。そこには予想をはるかに超えた美味しさと達成感があったに違いありません。そしてローラン自身が感じたことは、素晴らしい友人関係を持てたことへの感激だったそうです。ほんのり甘みのある果実味、ソフトなタンニンとじわっと優しい味わいです。
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ワイン名:On est su l’sable 2010(オ・ネ・スル・サーブル) AOC トゥーレーヌ
品 種 :カベルネ・フラン100%、樹齢:30~50年。
大河ロワールがもたらした砂が沢山混ざる粘土石灰質土壌。ビオロジック栽培。
収穫は、ブドウを選果しながら手摘み。収量40hl/ha。
SO2を一度も加えずに作ったワイン。
ワイン名は、畑に砂が多いこと。そしてフランス語で「グラスが空っぽだよ!」というファミリアルな表現(俗語)。グラスに注いでも、砂に染みこむみたいにすぐに飲み干してしまう、という意味合いをもつ。
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ワイン名:Le Paradis 2010(パラディ) AOC トゥーレーヌ
品 種 :カベルネ・フラン20%、カベルネ・ソーヴィニヨン80%。
樹齢:40年。ビオロジック栽培。
収穫は、ブドウを選果しながら手摘み。収量40hl/ha。
SO2を一度も加えずに作ったワイン。
ワイン名は、そのままずばり、パラダイス。美味しくて心が弾み、楽園にいるような心地よさをもたらしてくれる。
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(たわわに実ったカベルネ・フラン)

p.s.
2012年1月の写真を追加。
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サセボン2011 も オネスルサーブル2011 も美味しかった〜。

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もうすぐ届きますよ。
by w-inc | 2011-11-09 21:11 | Vin
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